このブログでもつい先日まで紅葉が話題になっていました
が、ふと周辺を見渡すとすっかり葉が落ち、冬の装いに。
そんな時に林を歩いていると目に入ってくるのが、これ。

ウスタビガという大型の蛾の繭。鮮やかなライム色です。
あ、今回は蛾の写真はありませんので、ご安心を。
7月初旬には繭になり、成虫が出てくるのが晩秋ですので
4ヶ月余りをこの中で過ごすことになりますが、この繭には
いくつかの快適装備があります。
繭の一番下に小さな穴が開いています。

実は、繭上部には成虫が羽化する時の脱出口が既にあって、
ここから雨が吹き込むのはご愛嬌。底の小さな穴は、雨水
の逃がし口になっています。
それだけではありません。繭の断面を見ると逃がし口の上
にも何やら構造物が・・・。

繭全体との位置関係です。

蒸し器で例えると、ちょうど中簀(なかす)の役割を担って
いるのか、蛹が繭の底に触れて雨水の逃がし口を塞がない
よう下支えするようです。
その中簀を上から見たところ。「ヘチマたわし」のように
周囲に大小の穴が見えます。

水は下に通しつつ、雨水の逃がし口から入る小さな虫など
は防ぐフィルターにもなっているようです。
by はろ